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【臨床工学科】卒業研究がオンラインジャーナルに公開されました

臨床工学科
 2022年度卒業生の菊池琉冴さんが執筆した研究論文が日本医工学治療学会のオンラインジャーナルに公開されました。論文のタイトルは「冷温水槽内の細菌増殖抑制を目的とした紫外線殺菌灯の有効性について」です。本論文は、菊池さんが臨床工学科に在籍しているときに取り組んでいた卒業研究の成果をまとめたものになります。今後発刊される、医工学治療学会機関誌 vol.36 No.3に掲載予定となります。
日本医工学治療学会ホームページ



?論文の内容を教えてください。
 冷温水槽内の循環水における細菌増殖抑制を目的として紫外線殺菌灯の有効性を検討しました。冷温水槽とは、心臓手術時に使用される人工心肺装置やECMO(体外式膜型人工肺)の周辺機器で、患者様の体温を冷やしたり温めたりするのに必要とされる機器です。通常、冷温水槽の循環水には水道水を使用しておりますが、内部構造が複雑であることから水槽内の衛生管理が難しいことが問題となっています。そこで、冷温水槽内の循環水に紫外線殺菌灯を照射することで細菌増殖を抑制することを検証しました。

?本研究を思いついたきっかけはなんですか?
 大学での講義がきっかけです。「冷温水槽の循環水には未滅菌の水を使用する」という内容に対して、冷温水槽内の衛生管理が難しいなかでなぜ未滅菌の水を使用するのかと疑問を持ち、解決策を考えるために様々な文献を探しました。試行錯誤を繰り返し、細菌やウイルスの殺菌に幅広く使用されている紫外線殺菌灯を応用できるのではないかと考え、研究に至りました。

?研究で大変だったことはなんですか?
 細菌増殖をどのように評価するかなど、研究計画を立てることに苦労しました。はじめは、個々の細菌の特徴や細菌が増殖する速度を調べるところからスタートし、実験の手順、比較方法などを検討しました。様々な文献を調べていくうちに多くの知識が身に付いたと思います。論文投稿では、実験方法や結果の示し方を書いては修正する作業を何度も行い、時間と労力を費やしましたが、自身が取り組んだ研究成果をこのような形で発信することができ、とても嬉しく思っています。

?今後の抱負について教えてください。
 論文が掲載されるという貴重な体験をもとに、自身の研究をさらに飛躍させ、今後も、臨床工学技士として医療に貢献していきたいと考えています。また、医療機器のさらなる発展のために企業などとの連携も積極的に取り組んでいきたいです。