大震災から2年7ヶ月となる2013年10月11日、東松島市内の被災地を巡る学外研修を地域連携センター及び総合政策学部の共催で実施しました。
この研修は、東日本大震災の被災地で学ぶ者として、改めて東日本大震災による災禍の大きさと、復興に係る現地が抱える現状と数多くの課題を再認識することを目的に実施しました。
《 研修行程 》
?日 時 2013年10月11日9:10~16:30
?訪問先 東松島市小野地区、野蒜地区、宮戸地区
?参加者 総合政策学部生を中心とする23人、引率教職員2人
講話「被災体験に学ぶ ~東日本大震災を振り返って~」
㈱朝日海洋開発 安倍 志摩子 様
(東松島市小野市民センターにおいて)
社長である夫とともに、鳴瀬川と吉田川の河口にある東松島市野蒜新町地区に事務所と自宅があった安倍様の被災体験をお話いただきました。
地震発生時、道を駆け上がる津波を見て、自宅と事務所にそれぞれ避難。とっさの行動で離れてしまったが、建物ごと津波に流される中で合流を果たす。しかし、建物の瓦礫とともに津波に呑まれ吉田川を逆流。家族や会社従業員にメールを打つなど救いの手を待ちますが、引き波が来ると判断した夫(安倍淳様)の判断で、河口から約7kmも遡った鹿島台近くの川岸に自力でようやく這い上り、生還されました。
安倍さんは我々に「二度とこんな経験を繰り返して欲しくない」と、今後また起こるであろう災害へ備える必要性を伝えて下さりました。
講話「住民の郷土への想いと新たなまちづくり」
野蒜?宮戸地区復旧復興を考える会 会長 坂本雅信 様
(旧JR仙石線野蒜駅において)
JR仙石線の内陸移転を軸に新たなまちづくりが進む東松島市野蒜地区。今は地区集会場となっている野蒜駅を訪問し、地元住民の手によるまちづくりを推し進める活動を行っている坂本様を始めとする「野蒜?宮戸地区復旧復興を考える会」役員の方々から、行政主導の復興事業、長期化する仮設住宅での生活、高齢者ばかりが残り限界集落になりつつある当地区の現状など、日頃の報道、ニュースでは窺い知ることができない被災地が抱える現状と様々な課題についてお伺いいたしました。
奥松島?宮戸島大高森の散策
朝から小雨が降ったり止んだりしていた天候が、宮戸島へ向かうと雲の合間から柔らかな日差しが差してきました。
登山口から約20分の行程ではありますが、勾配は急な上り坂。それぞれのペースで大高森の頂上を目指します。大粒の汗を流しながら頂上に到着すると、松島湾に浮かぶ島々が綺麗に一望できました。