薬剤耐性の獲得などによって進化し続ける各種病原体に対峙する
当研究部門は、研究活動の対象である抗感染症薬開発の多くの段階の中でも、臨床試験の適正な実施に主眼を置いており、特に短期間での臨床開発を実現したいと考えておりますが、抗生物質や抗菌薬だけでなく抗真菌薬、抗結核薬、抗ウイルス薬、さらには各種ワクチンの開発を主体的に担うことを目的としています。
1980年代のエイズなどを初めとする新興感染症の出現、多剤耐性菌による難治結核などの再興感染症の再増加がみられ1990年代にはMRSAや多剤耐性肺炎球菌の蔓延、2000年代に入るやエイズによる死者の増加(年に300万人以上)、多剤耐性緑膿菌、スーパー耐性結核菌の出現など薬剤耐性菌が社会的にも注目されてきています。
感染症や耐性菌は発生現場からの拡大を抑えるだけでなく、発生そのものを抑えなければなりません。現場で封じ込めるよりも現場そのものを作らないことを目的とし、感染症治療薬や予防薬の開発や抗感染症薬開発を担う人材を育成することを目指しています。