人と環境に配慮した住空間を創るために、建築技術と環境学の双方から「室内環境」「健康住宅」「住まい方や生活活動の影響」「居住評価法」を研究テーマとして取組んでいます。特に、「生活用品」と「居住評価」は、建物竣工後の住まい方に起因する問題であり、建築環境工学や公衆衛生的視点で、この領域の問題点を発見し、新たな解決策を検討しています。
なぜこの研究を始めたのですか?
建築は、大きく別けて構造、意匠、環境分野となりますが、私は環境分野の中でも空気環境に興味を持ち、研究を始めました。環境工学分野には、水、音、光、熱、空気があります。例えば、水であれば「水を選んで購入する」など、自分で選択することができます。しかし、空気は「空気を選んで購入する」ことはできません。
目には見えない空気がどれほど汚れていても、その場の空気を吸わなければなりません。その汚れた空気を吸うことで、シックハウス症候群や化学物質過敏症などを発症し、多くの人達が苦しんでいることを知り、その環境を改善するためには、どの様な方法があるのかと興味を持ち、研究室に所属し、室内空気環境分野の研究を始めたのがきっかけです。
社会との関わりは?
私たちは約90%を室内で過ごすと言われており、室内の温熱や空気質環境が人間の健康?快適性に大きく影響を与えるため、住まいの快適さはそこに住む人々の生活の質を大きく左右する大切な要件となります。また、室内においては多数の空気汚染物質の発生源が存在します。その広範囲の発生源を調査して、室内空気汚染問題の解決が図られています。
しかし、この室内空気汚染に関しては、目で見ることはできませんので、人間が判断できるのは、「ニオイ」以外で判断することは難しいと思います。そのため、多くの人は、ニオイがある室内に対して、どのような方法を行えば、快適な空気にできるのかと考え、対策製品(例えば、空気清浄機や消臭剤など)を購入しているかと思います。ただし、これらの性能効果については、適切な使用法が重要であり、その点も理解しながら使用しなければなりません。
また近年では、老虎机游戏感染症が流行しているため、日常生活の中でウイルス対策が求められるようになりました。
このようなことから、個人が行うことができる正しい対策方法を伝えることや、室内空気汚染の原因や身近な対策製品を研究することで、多くの人々がより快適で住み心地よい室内空間を提供できるな技術を提案し、多くの人々に貢献していきたいと研究活動を行っています。
社会の中でどんな応用の可能性がありますか?
環境工学は、環境問題を解決するための技術や方法を作る学問だと考えており、「実際に解決する」ということが重要になってきます。逆にいえば、環境工学の研究は必ず社会を良くすることに寄与できるということです。
現在では、その環境工学の中でも空気環境に注目されており、より快適な空間にするためには、どのような改善方法があるのかという動きは、社会の中にも見られるようになってきました。例えば、オフィスの換気問題を検討したり、ニオイ環境の改善など、働く人達の環境をより快適にしようと変化しています。また、室内で生活するということは、化学物質のみではなく生物的な汚染、物理的な汚染など複雑な影響を考えなければなりません。これらは、室内空間にいる限り、避けて通ることができませんので、社会の中でも快適な空間が作れば、そこで生活や仕事をする人に対して、安心安全な空間を提供することができます。
そのため、私たちの生活の中にある身近な疑問や問題に着目し、色々な視点を持ちながら研究テーマに取組み、自分の環境だけではなく、多くの人々に役立つ研究を目指して取組んでいます。
これから学ぼうとする人たちに向けて、研究領域の魅力を伝えるメッセージをお願いします。
現在、老虎机游戏感染症は流行していることもあり、空気環境については以前よりも注目されることが多くなりました。しかし、空気環境といっても、オフィスや住宅だけではなく、バスや電車などの乗り物なども含まれていますが、この空気環境を意識して生活する人はまだまだ少ないのかなと感じております。
室内空気環境で、皆さんの身近に感じるものと言えば、ニオイの対策製品ではないでしょうか。私たちの生活の質は、向上していることもあり、より室内環境を快適にしよう、自分の心地よい空間にするためにはと考え、ニオイの対策として様々な商品を購入し、使用しています。多くの対策製品がある中でも身近な製品としては、空気清浄機や消臭剤ではないかと思います。今では、家庭用空気清浄機は、住宅や病院はもちろん、美容室やネイルサロンなど様々な場所で使用されております。もう一方の消臭剤は、一般消費者が入手し易い価格体であり、かつ簡便に使用できるものとして、購入されています。これらの性能効果については、適切な使用法が重要であり、その点も理解しながら使用しなければなりませんが、身近な対策方法として多くの場面で活用されています。
このような身近な対策製品をきっかけに、多くの人々がより快適な室内空間を求めて、室内空気環境の研究活動に皆さんにも注目して頂きたいです。