社会学?福祉学研究

社会学?福祉学研究からのアプローチ

自我の社会学、若者の社会的自立に関する理論的実践的研究

山尾 貴則 教授
現代社会学部 現代社会学科
山尾 貴則 教授

G.H.ミードという20世紀はじめのアメリカで活躍した社会学者の理論を研究しました。ミードは、人は人とのかかわりを経て自我を確立していくのだと主張しました。最近はこの理論をふまえて、現代社会における若者の自我形成について知りたいと思うようになり、若者自立支援活動にも携わっています。

なぜこの研究を始めたのですか?

特に若者の社会的自立に関する研究ですが、大学教員になったとき、自我に関する悩みを抱えながらも大学で新たに友を得て自我を確立していく学生の姿に出会ったのがきっかけです。その姿を見たとき、大学院のときに研究したG.H.ミードの「社会的に形成される自我」という考え方が現代社会における若者の自我形成を考える際にも有効だと気づきました。そのときから、ミードも含めた自我の社会的形成に関する理論をさらに学びつつ、若者自立支援活動にも携わっています。

社会との関わりは??

他者とのかかわり、いわゆるコミュニケーションが日常生活においても仕事においても重視される現代において、コミュニケーションに関する悩みを抱えるのは何も若者に限ったことではないと思います。私が主として研究しているのは若者の自我形成のあり方ですが、そこで得られる知見は同時に、今この日本社会に生きるすべての私たちにも関わってくるのではないかと思っています。

社会の中でどんな応用の可能性がありますか?

上述のように、「人が生きる上での困難の解明と解決へのいとぐちの模索」を、若者の社会的自立に関する研究から広げていけるのではないかと思います。

これから学ぼうとする人たちに向けて、研究領域の魅力を伝えるメッセージをお願いします。

若者の自立支援に関する研究は、現代社会の中で不安を抱えて生きているどの世代の人にも応用できる可能性があります。居場所作りなどがうまくできるようになれば、たくさんの人にとって生きやすい社会が実現するでしょう。興味があるなら、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。